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手足の先が冷たく、暖かい部屋に入っても冷えたまま。このように手足や腰など、体の一部分に冷えを感じる症状を「冷え性」と呼びます。女性に多く見られます。
冷え性を簡単に説明すると「毛細血管の血行不良」です。血液の循環が悪くなって、心臓から遠く離れた手足の先まで血液が十分に巡らず、血行が悪くなっている状態です。
西洋医学では「冷え性」という病気はありません。女性特有の「不定愁訴(ふていしゅうそ)」とされています。不定愁訴というのは、ハッキリした原因がないのに、本人にとってはつらい症状がある状態をいいます。
しかし、冷えは万病の元です。慢性的に血行が悪い状態ですから、肩こり・腰痛・肌荒れなどのトラブルにつながるほか、免疫力の低下をはじめ、様々な体の不調をもたらす恐れがあります。
特に婦人科系の疾患を防ぐためにも、体質だからとあきらめずにセルフケアに努める事が大切です。
冷え性は大きく4つのタイプに分けられます。
最も多いのがこのタイプです。自律神経は内臓や血管などを自動的に調節する神経で、体温の調節にも関わっています。
通常は気温が下がって指先などに冷えを感じると、交感神経が活発になります。そして血管が収縮して血流量を増やし、体を温めようとします。
ところが、ストレスや不規則な生活などで自律神経の働きが乱れると、この体温調節が上手く行かなくなります。そのために手足の先まで血液が行き届かず、冷えたままの状態になってしまいます。
このタイプの冷え性は、不安やイライラ、頭痛や肩こりを伴う事があります。
自律神経失調の大きな原因は、不規則な生活やストレスです。生活リズムを大切にして、リラックスする時間を持つようにしましょう。
妊娠・出産・更年期などの時期に、女性ホルモンのバランスが大きく変化する事が原因の冷え性です。主に30~50代の女性に多く見られましたが、最近では20代前半の女性にも見られる事があります。
手足が冷たいのに顔や体はほてって汗をかく「冷えのぼせ」は更年期の特徴的な症状です。他にも更年期にはさまざまな不快な症状が起こりやすくなります。閉経を経て自然に症状は治まっていきますが、症状がつらい場合には婦人科にご相談ください。
血圧が低い(=心臓から血液を送り出す力が弱い)ために、手足の先まで血流が届きにくいタイプです。
低血圧そのものは体質であって病気とは言えませんが、運動や食生活などで症状を改善するように心がけてください。
血液中の赤血球の数が少なくなった状態が貧血です。でもなぜ貧血だと冷え性になるのでしょうか?
赤血球の中にあるヘモグロビンは、血液中の酸素を全身に届けてくれます。火が燃えるために酸素が必要なのと同じで、栄養分をエネルギーに変えるのに酸素が必要です。
赤血球が足りないと全身に届く酸素の量も足りなくなり、エネルギー不足になります。そのために疲れやすくなったり手足が冷えたりするのです。
主な貧血の原因は「鉄分の不足」です。女性の場合、毎月の月経がある上に、無理なダイエットや偏食などで鉄分が不足しやすくなります。鉄分を多く含む食事を心がけてください。
冷えを伴う病気にはレイノー病や膠原病(こうげんびょう)があります。
レイノー病は冷え性のひどい状態で、指先が蒼白になった後に紫色に変化するなどの症状が特徴です。
膠原病は、関節リウマチなどを含む自己免疫疾患(免疫反応が自分自身に対して起こることで出る疾患)の総称です。関節の痛みや手足のこわばりが伴う場合には、膠原病の可能性があります。
どちらの場合でも、冷えを放置する事は症状の悪化につながります。
また、糖尿病が悪化すると末梢神経の働きが低下して血流が悪くなります。そのために手足が冷える事もあります。
運動して血行を良くする事は、体を温めるのに効果的です。定期的にスポーツジムに通ったり、水泳やテニスなどのスポーツができれば一番です。
本格的な運動ができない場合でも、意識して歩く時間を取る・エレベーターやエスカレーターを控えて階段を使うなど、できるだけ日常生活で身体を動かすようにしましょう。
デスクワークの途中でときどき伸びをしたり、軽いストレッチをしたりするのも自律神経の働きを良くするのに効果的です。
冷え性の大きな原因である自律神経失調を改善するためには、規則正しい生活が一番です。寝る時間が多少遅れても、朝は決まった時間に起きるようにするなど、生活リズムを崩さないようにしましょう。
朝起きてすぐに大きく伸びをして体を目覚めさせるのも良いでしょう。
最近は若い女性でもホルモンバランスが崩れている人が増え、生理不順などの原因となっています。ご家庭でも思春期に入る前からバランスの取れた食生活と規則正しい生活を身に付けるように心がけてください。
ビタミンE・B1・Cや鉄分などを十分に摂り、バランスの良い食生活を心がけてください。
手足など末梢の血管を拡げて血流を良くします。ナッツ類・アボカド・カボチャ・ほうれん草・ひまわり油・紅花油・ウナギの蒲焼きなどに多く含まれます。
糖質を燃やしてエネルギーに変えるのに必要な栄養素です。豚肉・ごま・ウナギ・玄米や胚芽米・大豆などの豆類・レバーなどに多く含まれます。
鉄分の吸収を促進し、毛細血管の働きを助けます。ブロッコリーやピーマンなどの緑黄色野菜・芋類・レモンやイチゴなどの果物に多く含まれます。
体温が下がるのを防ぐ働きがあります。また、全身に酸素を送るヘモグロビンの主要成分なので、不足すると貧血や体力不足になります。
レバー・赤身の肉や魚・アサリ・ノリ・ヒジキ・切り干し大根・ほうれん草・小松菜・高野豆腐などに多く含まれます。
寒いからといって体に密着する衣類やきつい下着を着けるのは逆効果です。血流が悪くなって、かえって冷えがひどくなってしまいます。
衣類はゆったりして吸湿性のあるものがオススメです。
ロングブーツも暖かそうに見えますが、足首からふくらはぎを締め付けて足先の血行を悪くしてしまいます。きつすぎるものを避けて、足の動きを妨げない、ゆとりのある靴を選びましょう。
煙草を吸うと毛細血管が収縮するため、血行が悪くなって冷え性が悪化します。男性でも喫煙のせいで冷え性になる場合があります。
熱いお湯に短時間浸かると体の表面だけが温まってしまいます。温めのお湯に長時間浸かって体の芯から温めましょう。38~40度のごくぬるいお風呂に下半身だけ20~30分ほど浸かる半身浴がオススメです。
入浴剤の使用もオススメです。保温作用があるほか、お気に入りの香りでリラックスすれば、自律神経の働き回復の効果も期待できます。
湯船に浸かっている間に手足のマッサージをしたり、足の指を閉じたり開いたりするのも、手足の血行を良くするのに効果的です。
靴下を履いて寝るなどして、足元を冷やさないようにしましょう。ただし、きつい靴下はかえって血行を悪くしてしまいます。
座布団やクッションを足の下に敷いて、足を体よりも高くする事も、血行を良くする事につながります。
パジャマやシーツは吸湿性に優れた天然素材のものを選びましょう。
お腹を温めるには腹巻きがオススメ。寝ている間にパジャマからお腹が出て冷えるという事も防げます。